3日目はトロール漁です。昨夜のうちに下関沖から東シナ海まで南下し、朝には一面海で陸のない景色が広がっていました。本来は、5/16に1・3・5班、5/17に2・4・6班のトロール漁を別々に実施する予定でしたが、両日とも大荒れの予報だったため、急遽、5/15に前倒しにして、一日に2回のトロールを行うこととしました。
朝はトロール網が甲板に広がっているため、本日の朝別科ラジオ体操はなく、6:30からは掃除をしました。朝ごはんは子持ちシシャモと納豆です。
タイトなスケジュールなため、漁の準備はテンポよくぎゅっと詰め込みます。8時前よりCTD観測の準備を行い、有志3人は海水温測定と透明度と水色の観測を手伝いました。CTD観測が終わると、いよいよ待ちに待ったトロール漁の始まりです。学生は安全面も十分に気を付けながら、漁の最前列で見学させてもらいました。これまでに見たことのない大きなトロール網を見て、皆驚いていました。一等航海士と船員達による、漁の安全を祈ったお神酒が執り行われた後、投網です。45分間のトロールの間、デッキの見学をさせてもらい、その後は鮮度管理実習の進め方の再確認をしました。
ついに網の回収です。網の回収をじっと見守ります。甲板に網が上がり、「ワッ」と歓声が上がりました。大量です。レンコダイ、大型のマアジ、カナガシラ、ヒメジ、スルメイカ、などが多く、その他にはマトウダイ、ウチワエビ、エイ、キンメダイ、アマダイなども上がりました。全員で魚の選別を行い、数量と重量を測定します。その後は続けて常温で保存された場合の鮮度変化を記録します。硬直度指数の測定、目視観察、色彩色差計で鰓色の測定を行いました。
昼食にトンカツを食べ、午後からは残り半分の班による二回目のトロール漁です。二回目は曳網時間を20分と短くしましたが、それでも大漁でした。今回も、レンコダイとカナガシラは多いですが、マアジは少なく、ワニエソやカイワリ、ヒメジ、ウチワエビ、タチウオ、ケンサキイカなども取れました。漁の終わり頃に、同じく水産大学校練習船の天鷹丸が近くを航海していました。大海原の中でお互いに汽笛で挨拶を交わしました。後半組は冷蔵保存による鮮度変化を測定し、前半組との結果を比較することで、温度管理の大切さを学びます。この日は、夜8時まで測定しました。夕食はメインの赤身魚の煮つけの他にその日取れたアジとタイのお刺身も振舞われました。この日20時からはワッチが始まります。右舷班と左舷班に分かれ、初日は左舷班の当直です。4時間交代で夜間は機関部に、日中はデッキで船員の皆さんに仕事を教えてもらいます。夜間はワッチの合間に鮮度管理実習の続きで数時間おきに測定も行いました。明日からは、船尾で食品加工が始まります。
文責 クラス担当 河邉真也
|