平成28年度食品科学科 食品製造学実習II 紹介 2日目
写真・文:3年クラス担当谷口
平成28年12月14~18日および12月21~22日に行われる食品科学科3年生を対象とした食品製造学実習II(工場実習)について、簡単に紹介させていただきます。
12月15日(木) 雨のち曇り
実習二日目は昨夜から解凍槽に入れていたマグロを解体するところから始まります。
水槽から取り出したら、魚体温をとってどの程度解凍されたのか確認します。
いよいよマグロを解体しますが、いわゆる「マグロ解体ショー」で行われるほどきれいに解体できるかは、学生の腕にかかっています。
頭を落として、内臓を除去するところまでは上手にできたようです。
次は側線のあたりから包丁を入れて魚体を上下二つに分ける作業になります。脊椎骨は背側に残して二つに分けるのですが、片刃の出刃包丁の性質になれていない学生は、思った通りに肉を切ることに苦戦していました。
脊椎骨のすぐ下で切り離したかったのですが、この班は肉が残ってしまったようです。
こちらの学生は魚を捌くのが得意なようでした。お手本のようにきれいにできました。
捌き終わったマグロはしっかり水洗いして、蒸煮と呼ばれる作業に移ります。蒸気を使った釜にいれて身に火をいれて固める作業です。
釜に入れられた魚肉は温度センサーを使って温度をモニタリングします。この蒸煮作業では中心温度が75℃になるまで加熱することになりました。
蒸煮釜(レトルト釜)の仕組みもしっかり学習します。
食品が釜の中に入ったら、使用した器具をしっかり洗浄します。この実習では工場を時間(作業工程)ごとに区切って清潔作業区から非清潔作業区として区分けすることになります。従って、清掃がいろいろなタイミングで行われていきます。
清掃作業が終わって、少しの休憩時間を挟んだら、蒸煮釜からマグロを取り出します。
釜を開ける際に、釜の中から蒸気と熱水が出てくるので、やけどしないようにしっかり準備をしています。
出てくる熱水は、マグロの出汁がしっかり出たおいしそうな良いにおいがします。ですが、本実習では肉だけを使用するので、この出汁は処分してしまいました。
釜から出した肉もアツアツですので、冷蔵庫(右)におさめて、一晩かけて放冷します。これにより、二日目の製造に関する作業は終了になります。しかしながら、
蒸煮釜を洗浄し、その他使用した器具をしっかり洗浄してから、場内の床や排水設備の洗浄が終わってようやく作業終了です。
掃除している写真ばかりになってしまいましたが、工場での食品製造を行う実習のため衛生管理の点から必要な作業ばかりです。学生も二日目になり慣れてきたせいか、班長の指示も徐々に的確になってきて、作業が少しずつ早く進むようになってきました。明日はいよいよレトルトパウチに食品を入れて加圧加熱殺菌処理を行います。
最後のお楽しみとして、肉と一緒に蒸煮したマグロの頭部の肉を試食しています。日ごろ口にするマグロと比べておいしさはどうでしょうか。