平成28年度食品科学科 食品製造学実習II 紹介 3日目
写真・文:3年クラス担当谷口
平成28年12月14~18日および12月21~22日に行われる食品科学科3年生を対象とした食品製造学実習II(工場実習)について、簡単に紹介させていただきます。
12月16日(金) 雨のち曇り
実習三日目はみぞれが降る寒い中での幕開けとなりました。
解体・蒸煮・放冷を行ったマグロ肉のクリーニングから作業が始まります。皮、血合い筋、骨、血管などを除去します。
小刀を使って表面が白い肉だけになるようにクリーニングしました。
クリーニングした肉を15-20g程度のブロックに切り分けて袋(レトルトパウチ)に入れたところで、ソースを投入。今回は市販のカレーソースを用いましたが、内容は年ごとに変わっていきます。来年の実習ではどのような食品になるでしょうか。
食品を入れたパウチは、真空包装機を用いて封をしました。
真空包装機により封をして殺菌していないものは、ボツリヌス菌による食中毒の危険がある食品に成り得ます。この実習では、加圧加熱殺菌を行うわけですが、殺菌時の温度管理は非常に重要です。レトルト釜に取り付けられている庫内温度計による監視に加えて、小型の温度計を食品とともに入れたパウチを作成して品温変化を監視します。
写真は小型温度計(温度ロガー)の説明をしているところです。指先につままれるほど小さいものですが、1分間経過ごとに温度を記録してくれます。今回は加熱終了後に取り出して、パソコンで温度変化を継時的に表示して、F値の計算を行います。
パウチ投入前のレトルト釜(左)と投入後(右)の様子。
加圧加熱殺菌(レトルト殺菌)が開始されたときの様子です。釜の配管から噴出する蒸気が臨場感を演出してくれている気もします。
レトルト釜の運転は自動で行われるため、加熱後の冷却が完了したら運転終了です。釜から取り出したレトルトパウチに破れなどの異常はないか、検査を行います。
袋の周りの水滴を拭き取ったら箱詰めして、三日間におよんだ製造工程のすべてが完了となりました。このレトルトパウチ食品は、明日以降に表示ラベル(内容量をはじめとした必要事項を正しく書くことも実習の評価ポイントです)を作製します。
製造が終わったら、おなじみの洗浄・清掃です。使用したすべての器具の洗浄と工場内の床一面を清掃します。
みな、手慣れた様子で掃除を進めていけるようになりました。
今回の実習は、3年生を前半組と後半組の2グループに分けて、同じ作業を2回行います。製造を行わないグループはその間に、この工場実習に関するHACCP(危害分析・重要管理点(監視))計画記録を作成することとなります。前半組が作業を終了した10分後から、後半組が原料の解凍を始めており、明日・明後日までの三日間で後半の製造作業が行われます。後半組の作業の様子は明日以降、写真でダイジェスト報告をさせていただきます。