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公開講座
第20回水産大学校公開講座
日時:
平成27年10月10日(土)13時〜14時30分
テーマ:
お魚を環境に優しくかつ新鮮に届ける最新技術
プログラム
■
大間のマグロと地中海のマグロの鮮度はどっちが上か?
■
水産物輸送における環境負荷の低減技術
※所属・職位・学位は、当時のものを掲載しております。
大間のマグロと地中海のマグロの鮮度はどっちが上か?
水産大学校
海洋機械工学科
准教授 大原 順一
水産物の中でも日本人に好まれているマグロですが、火を通さない生食として供給されている量は少なくありません。
美味しく頂くとなると、その「鮮度」も気になるところです。
どのように鮮度を維持し私達の食卓に届けられるのでしょうか。
また、そもそも鮮度とはどのようにとらえればいいのでしょうか。
この度は地中海産と青森県大間町産のクロマグロを例にとり、鮮度について一緒に考えてみましょう。
そして、食品の鮮度を維持する重要な技術の一つである「冷凍」について、どういった仕組みでマイナス60℃の低温を実現しているのか、その基本原理とマグロへの応用、解決すべき問題点をご紹介いたします。
また、地球環境にやさしい冷凍機の開発に関する取り組みについてもお話させていただきます。
水産物輸送における環境負荷の低減技術
水産大学校
海洋機械工学科
准教授 津田 稔
漁船で魚を捕ったり、水産物を運んだりするためには、エンジンを動かすための燃料が必要です。
燃料が燃焼すると地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)や、酸性雨の原因となる硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)が大気中に排出されます。
また、呼吸器系疾患の原因となる粒子状物質(PM)も排出されます。
水産大学校では、これらの大気環境汚染物質の低減に関する研究を20年以上継続して行っています。
また、最近話題になっているPMに関する研究も平成11年から行っています。
本研究では、練習船を用いた我が国初の実船実験により、PMの排出実態を明らかにするとともに、PM計測システムの開発や、PM低減フィルターの開発などを行ってきました。
更に、これらの結果を基に、水産物の海上輸送において排出されるPM低減の指針を示すとともに、実船実験によりこれを検証しました。
現在は、PM低減フィルターに関する研究に加え、水混合燃料やBDF(バイオディーゼル燃料)を用いたCO2、NOx、PMの低減に関する研究も行っています。
講演では、世界的に高く評価されている練習船を用いた実験や、CO2、NOx、PMなど、環境に負荷を与える物質の低減技術に関する研究について紹介します。