折角、水産大学校が下関にありますから、下関とお隣の北九州市の間にある歴史的にも有名な関門海峡に注目してみましょう。古くは源氏と平家の壇ノ浦の合戦、江戸時代には佐々木小次郎と宮本武蔵の巌流島の決闘、幕末維新は激動の地、昭和に入れば関門トンネル、関門橋、山陽新幹線の開通、平成の現在では観光スポットとして生まれ変わるなど、歴史の流れの中でその名をアピールしてきました。
一方、関門海峡は船舶の交通にも大切な海域で、この海域を私たち海事関係者は瀬戸内海と日本海を結ぶ海上交通の重要な「要」としてとらえています。
ところが、この「要」は
- 狭い--------------
一番狭い関門橋の下で約530m
- 長い--------------
六連島から門司の部埼まで約15マイル(27.8km)
- 曲がっている-------
S字型
- 潮流が速い--------
最高約11ノット(5.7m/sec)
- 船が多い----------
関門橋の下を通過する船は一日約600〜700隻
さらに漁船やプレジャーボートが多い
など、海上交通事故を起こしやすい様々な問題点を抱えていて、ここを通る船の船長は胃が大変痛くなる思いをするとか・・・。そのため、関係者による会議が度々開かれ、船の通り道を示す航路標識、船を安全な方向に誘導するための方法、航海の安全を確保するための基準などが検討されています。
関門海峡を通るとき、事故を起こして「後悔」することのないように、船舶の交通安全つまり安全な「航海」のためにどのような対策がとられているか、今、関門海峡で何が起こっているか、関門海峡の交通ルールや実態調査で調べた船舶交通の様子とともに紹介します。
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