食品科学科のスタッフ

食品科学科教員の研究紹介  2013年5月14日更新

e-Mailでご連絡頂く場合には、下の表の[e-Mail]の後のテキスト部分に、@fish-u.ac.jp を追加して下さい。
(平成22年度から2講座体制になりました。

食品安全利用学講座
原田 和樹 (農学博士)
教授 [e-Mail] kazuki


 福岡県出身で、直方市の福岡県立鞍手高校卒業です。京大農学部で博士号を得て、PL学園の勤務を経て、水産大学校に赴任しました。今は、前田准教授と、食品加工利用学講座の1つの研究室を構成しています。昨年、高い抗酸化能を持つ魚醤として商品化に成功しましたフグ未利用部位を使った「ふく醤油」の第一期の商品は、好評のうちに完売しました。また、米国農務省が推奨する世界標準になりつつある抗酸化能測定法のオーラック法を、日本の大学の中ではいち早く駆使できる様になり、数々の学会で成果を公表しています。

前田 俊道 [博士(農学)]
教授 [e-Mail] toshima

 岡山県の岡山白陵高校の出身です。京都大学農学部の大学院を卒業して水産大学校に赴任しました。京大では海洋細菌の研究をしていました。今は、どのようにすれば魚の美味しさを保てるのか、安全性が確保できるのかについて、魚の殺し方・冷やし方・保存方法について研究しています。最近では-25℃のアルコールで凍結したマアジが刺身で美味しく食べられることがわかりました。鮮度の高い魚を急速に凍結することがポイントです。


古下 学[博士(医学)]
准教授 [e-Mail] furushita

 岐阜県の出身です。水産大学校を卒業後、三重大学大学院、名古屋大学大学院をへて、水産大学校の助教になりました。現在、新しい技術を用いた長期間保存できる魚肉の研究をしています。生魚は、すぐに腐敗してしまいます。しかし、新しい技術を用いれば、10日後でも食べられる刺身が出来ます。この技術を完成し、実用化することを目標にしています。また、養殖漁場中の薬剤耐性遺伝子の研究をしています。驚くことに薬剤耐性遺伝子は、あちこちを飛び回り、病原菌の中に入り込みます。すると、病原菌は薬の効かない薬剤耐性菌に変身します。この遺伝子の動きを理解し、食い止めるのが私の仕事です。


和田 律子[博士(農学)]
講師 [e-Mail] watsuko
 
 沖合底引き網漁業では種々雑多な魚類が混獲され、単一の魚種としては少量で種類も多く、市場に出しても安価で取引されています。そこでこれらの魚に付加価値をつけ、有効に利用するためにはどのような加工が向いているのかを研究しています。また、魚臭のマスキング効果があると言われているゴボウのマスキング効果を調べる実験や、冷凍魚の冷凍保管温度と貯蔵期間が魚肉の品質に与える影響についての実験もしています。


福島 英登[博士(農学)]
講師 [e-Mail] hfukushi

 埼玉県の城北埼玉高校出身です。多種多様な水産物の有効利用を図るには、食品の原料となる生物種に適した処理・加工を施す必要があります。そうした種特異的な加工特性を明らかにするために、主に筋肉タンパク質を対象として、動的粘弾性測定装置など最新の機器を用いて解析しています。福田教授、和田助教と協力して、かまぼこなどの魚肉練り製品の加工特性に関する研究をメインに、ジュール加熱による水産物の新しい加工方法の開発や、山口県を代表する魚であるエソの冷凍すり身化に関する研究にも取り組んでいます。


福田 翼[博士(工学)]
助教 [e-Mail] tsubasa
 

 岡山県の岡山大安寺高校出身です。大学時代には、主にカビを利用したバイオコンバージョン・バイオレメディエーションに関する研究に従事してきました。現在は、芝教授と古下講師とともに魚肉を腐敗させる細菌の動態に関する研究を行っています。さらに、これらの細菌による魚肉汚染を消費者が簡易に判断出来るセンサーの開発にも従事しております。また、学生時代の研究を活かし、日本の伝統文化であるカビを利用した麹による新たな水産発酵食品の創生にも取り組んでいます。

谷口 成紀(やぐちしげのり)
[博士(農学)]
助教[e-mail]yaguchi

 静岡県浜松市出身。浜松西校の理数科を卒業して、山口大学農学部に入学した後は、主にネギやタマネギ、ニンニクといったネギ属野菜の機能性成分の増強を目指した成分育種法の開発・研究をしてきました。様々な縁があって、平成25年4月に水産食品の分野へ飛び込んできました。野菜はもちろんですが、魚介類もおいしいですね。おいしい水産物の鮮度保持や保蔵のための研究技術開発等に取り組んでいきます。

芝 恒男 (農学博士)
特命教授 [e-Mail] tsuneo


 「東京都の北園高校の出身です。岩手県の東大大槌臨海研究センターから水産大学校に転勤してきました。東大時代は海洋の好気性光合成細菌の研究、今は食中毒原因菌の腸炎ビブリオや環境ホルモン分解細菌の研究です。主に遺伝子を使って細菌を検出する技術の開発です。また古下助教との薬剤耐性細菌の研究や前田准教授らとの無菌魚肉製造技術の開発を行っています。無菌魚肉は冷蔵庫で2ヶ月保存しても刺身として大変美味しく食べることが出来ます。水産物の流通革命を下関から始めたいと考えています。」
食品機能学講座

花岡 研一 (農学博士)
教授 (研究科併任)
[e-Mail] hanaoka

 生まれは広島市ですが、福岡市の西南学院高校出身です。鹿児島大学、九州大学大学院と進んだ後、水産大学校に就職しました。その時から、いつの間にか四半世紀以上という長い時間がたっています。最近では、新進気鋭の臼井助教と組んで研究・教育を続けています。具体的には、一貫して海産生物中の微量元素について大学院生や卒論生と共に研究してきました。彼らとは、ヒ素など嫌われ元素のいい面(機能性)についても明らかにしようと話しています。それにしても強く感じるのは、独創性のある研究に対する、若者の食い付きの良さです。


甲斐 徳久 (理学博士)
教授 [e-Mail] norikai

 福岡県北九州市の八幡中央高校の出身です。九州大学理学部で博士号を修得後、水産大学校に赴任してきました。赴任以来、これまで海洋生態系におけるセレンの動態について、科学技術庁振興調整費により海洋化学的側面から本校練習船、本庁調査船を利用した、また旭化成、宮崎大学との共同研究から、セレン給与した餌料の肝機能促進効果を観察することにより生物無機化学的側面から、ともに水銀分布とあわせた研究を続けてきました。現在は、養殖魚における水銀蓄積プロフィールと生物学的有効性の高いセレン化学種の存在解明に努めています。トピックスとして、鱗中に有用性の高いセレン化学種が認められており、すでに化粧品等に利用されている鱗の新たな有効利用の展開を将来展望としています。



田上 保博 (工学博士)
教授 [e-Mail] tanoue

 熊本県の玉名高校出身です。前任校の九州工業大学で、漢方薬でもある植物の紫色素『シコニン』の全合成を世界に先駆けて成し遂げました。水産大学校では、あのクレオパトラを虜にした『貝紫色素』を非常に簡単に合成する方法を見い出しました。現在は、海洋に存在する薬理活性物質の合成を手掛けています。



宮崎 泰幸[博士(農学)]
教授 [e-Mail] taiko

 京都生まれの神戸育ちで、兵庫県立兵庫高等学校卒業です。京都大学農学部から同大学院の後期博士課程を修了して本校に赴任しました。大学時代は魚に、すぐに分解しやすいビタミンCをいかに効率よく食べさせるかという研究をしてました。本校に来てから15年以上にわたっては、水産動物が好む味とにおい物質の研究を続けてきました。近年は対象を魚から人間へ広げ、鮮魚のフレーバー改善や海苔などの水産食品のにおいに関する研究を行っています。



宮田 昌明[医学博士]
教授 [e-Mail] mmiyata

 出身地は広島で、東京、仙台を経て下関の水産大学校に赴任しました。理学部出身で、これまで企業と大学の医学部、薬学部に在籍した経験を持ちます。会社では安全性評価等で医薬品の開発に従事しました。その後大学では薬物代謝酵素の機能と発現調節の研究や米国留学中に作製した脂質代謝異常や糖尿病などの病態モデルと考えられている胆汁酸受容体欠損マウスを用いて脂質代謝調節についての研究を実施してきました。水産大学校ではこれらの病態モデルを用い、水産資源中に含まれる機能性成分について研究し、水産資源の食品への応用に役立つ研究を実施していきたいと考えています。

臼井 将勝[博士(農学)]
講師 [e-Mail] usuim


 山口県立萩高等学校を卒業後,山口大学農学部での学部・修士・博士課程を経て下関の本校に赴任しました。生れも育ちも学校も仕事もすべて山口県です。学生時代は歯周病原性細菌の口腔内付着機構や卵・大豆・スギ花粉アレルゲンのアレルギーリスク低減化に関する研究をしていました。現在は,エビ・カニアレルギーの原因タンパク質について「耐熱化機構の解明」「胃潰瘍とアレルギー発症リスクの関係解明」「リスク低減化や治療薬への応用」などをテーマに研究しています。美味しいエビを安全に食べ続けるため,エビアレルギーの人が危険回避するための「科学的根拠に基づいた正しい方法づくり」に取り組んでいます。


杉浦 義正[博士(学術)]
講師 [e-Mail] ysugiura


 生まれも育ちも愛知県、地元は自動車産業で工業が盛んな地区でありながら、自らはバイオ系に進路を取った者です。学生時代は牛乳成分の機能性研究がテーマでしたが、大学院修士課程修了後、愛知県名古屋市の食品メーカーに勤務、そこで海藻成分の機能性研究をすることになり、研究素材が山(牛乳)から海(海藻)へと大転身しました。
 これまでに、海藻成分(特に海藻ポリフェノールであるフロロタンニン)の抗アレルギー性について研究してきまして、そのご縁あって水産大学校に赴任しました。今後は、研究活動を通じて、抗アレルギー効果に限らず、健康に良い事など海藻の素晴らしさを社会一般に広めていきたいと考えています。

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