●福島助教 学会賞受賞
2008年4月1日
福島英登助教が平成20年度日本水産学会賞「水産学奨励賞」を受賞しました。
概要 |
かまぼこに代表される水産練り製品は、魚肉の加熱ゲル化特性を利用した我が国の伝統的な食品です。また、水産加工品の中で最も生産量が多く、産業上非常に重要です。このゲル化には筋肉の主要な構成タンパク質であるミオシンが重要な働きをすることが知られていますが、加熱ゲル形成における魚肉ミオシンの役割について分子レベルの知見はきわめて限られていました。そのため、新規練り製品の開発などには多くの問題が生じています。私は、広く練り製品の原料として用いられるスケトウダラ肉と、高い加熱ゲル形成能を有するシログチ肉の普通肉ミオシンを対象に、アミノ酸が1つだけ異なる点変異体や掛け合わせであるキメラ体など種々のリコンビナント・タンパク質を遺伝子工学的手法で調製し、示差走査熱量、円二色性、動的粘弾性などのタンパク質高次構造解析法を駆使して種特異的な加熱ゲル特性の一端を明らかにしました。今後、こうした手法を用いて多くの魚種について加熱ゲル形成能の詳細が明らかにされ、魚肉の高度な加工利用に結実することが期待されます。 |
受賞に喜ぶ福島英登教員