平成28年度 食品科学科 洋上鮮度管理実習 紹介
2016年11月17日 掲載 写真・文:3年生クラス担当谷口
11月16日(水) 快晴 長崎港に入港して一夜明けた本日は快晴でした。夜の明けきらない段階でのラジオ体操やジョギングにも学生たちは適応した様子です。 |
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本日は一日かけて長崎県における水産関係の実勢調査ということで、民間および公的機関の施設見学を行いました。見学先は「長崎県蒲鉾水産加工業協同組合」、「国立研究開発法人水産研究・教育機構
西海区水産研究所」、「長崎県総合水産試験場」の三か所です。 |
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写真は1か所目の見学先である長崎県蒲鉾水産加工業協同組合にて、蒲鉾の歴史について説明を受けている時の様子です。食品科学科の学生はいくつかの講義で共通の話を聞いているはずですので耳馴染みの良い話のはずですが、数日ぶりに陸にあがったことで陸酔いしていて集中して聞けなかった学生もいたようです。 長崎県蒲鉾水産加工業協同組合においては原料の搬入、保管、魚肉すり身作製にかかわるすべての工程だけにとどまらず、すり身作製において生じてしまう魚肉の洗浄廃水の浄化処理設備の見学もさせていただきました。 食品科学科は2年生の時点で、原料魚を解体しすり身を作製して、そこから蒲鉾を作る実習も行っております。そのため、すり身や蒲鉾製造は身をもって体験している学生達ですが、その実習の際に出る廃水をどのように処理しているかなどは経験していませんでした。今回、その廃水処理施設を直接見学させていただいたことから、水産加工には廃棄物・未利用資源の処理およびその有効利用という大きなテーマがあることを体感してくれたものと思います。 2か所目の見学先は本年4月より本校を含む一つの国立研究開発法人水産研究・教育機構となった西海区水産研究所です。 |
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九州西岸や東シナ海の水産資源の動向調査や沿岸の資源管理、クロマグロの増養殖について大きな成果を上げている研究所ですが、その最先端の研究の一端を紹介していただきました。特に今回は、マグロの採卵に関係する水槽を見せていただき、泳ぐマグロのモニタリングや飼育環境のコントロールについて詳しく紹介していただきました。学生たちにとっても日ごろ口にする機会の多いマグロの生態は非常に興味深かったようで、いつにも増して質問をしている姿が見受けられました。 |
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![]() クロマグロの模型に触れる学生達。 |
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また、施設内の標本管理室において、多数の水産生物標本を見学させていただきました。中には、世界で初めて採取されたとされる産卵に至る直前のウナギの標本をはじめ貴重な資料が保管されており、ひごろ目にする機会の少ない生物の姿に興味を抱いたようでした。 | |
![]() 写真はミツクリエナガチョウチンアンコウの標本を興味深く見つめる学生達 (メスの大きな個体の一部に小さなオス個体が寄生するような形で一体化していた) ![]() |
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3か所目は長崎県総合水産試験場です。長崎県の水産物の生産量は全国2位ということですが、加工品の生産量はそこまで高くないということで、水産加工品の開発や生産に力を入れて取り組んでおられます。 |
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県単位で水産加工分野の研究・開発を行っている長崎県で開発された加工品の実例や、三減すり身(糖・重合リン酸塩・食塩を使用せずに作製することができるすり身)の開発事例を紹介していただきました。また、増養殖に関する仕事も見学させていただき、海面に設置されたイカダに飼育される幼魚を学生達は興味深く観察していました。 今回、お忙しい中見学を快く引き受けていただいた「長崎県蒲鉾水産加工業協同組合」、「国立研究開発法人水産研究・教育機構 西海区水産研究所」、「長崎県総合水産試験場」の関係者の皆様に改めて御礼申し上げます。 |
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