平成28年度 食品科学科 洋上鮮度管理実習 紹介

2016年11月16日 掲載
写真・文:3年生クラス担当谷口


11月14日(月) 雨のち曇り
 洋上で一晩明かした朝は、あいにくの雨模様で朝の運動は中止になりました。清掃を行い、朝食を摂ったら、いよいよ洋上鮮度管理の開始です。


写真は甲板上のいけす内を泳ぐブリの様子。

 今回の実習では、いけすから取り上げたブリをいくつかの異なる処理をして保蔵した場合の鮮度変化を調べていきます。体の表面色・筋肉の硬直度合・魚体の体温・核酸関連物質の含有量などを経時的に調査しました。

 
いけすから取り上げたブリはかなり激しく暴れます。
男子学生がしっかり抑えなければ腕から落としてしまうほどです。


中には4.5 Kgを超える大きさの個体も。

 
左の写真は、取り上げたブリに電気刺激を行っている様子です。暴れるブリも10秒ほどの刺激でおとなしくなりました。その間に延髄刺殺を行い、鮮度を保持できるように処理します。


いけすから取り上げて処理をしたばかりのブリは、上の写真のように台に置くと尾部が垂れ下がります。経時的にこの具合を観察すると、どのタイミングで死後硬直が起こるか等が見えてきます。

 
色彩色差計を用いて表面色の変化を観察しています。班ごとに、どの部位の変化を観察するか相談して決めていました。実習が終わるころには、どの部位を測定したら鮮度変化を効率的に判断できるかわかるようになるでしょうか。

 
経時的な変化の測定は雨が上がった午後も続きました。最後の測定が終わった時、あたりは真っ暗になっていました。

11月15日 晴れときどき曇り
 昨夜から船は運航を続けていたため、朝方はこの実習で初めて揺れる船の中での体操や掃除をすることになりました。3年生は比較的船酔いに強いようで、引率教員1名(私)を含めた2,3人だけが船酔いに苦しめられました。数人が船酔いしている程度では、そのまま実習は続きます。昨日処理をして氷上に保管しておいたブリの観察が続けられました。


写真は筋肉中の核酸関連物質の含有量を測定するために、筋肉試料を過塩素酸溶液内で均質化して固定している様子です。この試料は大学に持ち帰り、研究室にて分析を行います。


観察が終わったブリは冷凍パンに並べて急速凍結します。凍結したブリは、後日、後処理をして学校に持ち帰ります。


揺れる船内での食事も船酔い知らずの3年生達にとっては、早くも慣れたものになった様子です。


午後になると長崎港に入港して、学生たちには待ちに待った船外活動許可が与えられました。それぞれ、気の合う仲間たちと長崎の町へ散っていきました。

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