下関フードテクノフェスタ2010を終えて、芝恒男食品科学科長に聞く

2010年6月15日 掲載

下関フードテクノフェスタ2010が終了しました。現在のご感想をお聞かせください。
 外部から251名、水産大学校の学生・関係者120名の参加がありました。まずは成功だと思います。講演時には43番教室が溢れる場合を危惧していましたが、およそ260名の入り。参加者に迷惑をかけずに済んでホッとしています。



内容的にはどうでしたか?
 まず野瀬氏の講演がすばらしかった。タイトルの「魚の缶詰を煮ますか?」で少々ドキッとした人も多いと思いますが、山岳部に行けばまさにタイトル通りのことが行われている。驚くと言うよりも、その土地に合わせて食生活を工夫している有様は大変微笑ましいものでした。聴衆の皆がニコニコしていたのはそのせいだと思います。



鼎談については、事前に随分と心配されていたようですが。
 ええ、そのために前日に席を設けて懇談したのですが、いやはや、お酒の勢いが強すぎて鼎談の筋は見えず仕舞。御陰で翌朝4時に起きて呆然と想を練ったのですが、取り越し苦労に終わりました。鼎談者の理事長が上手に筋道を付けてくれました。鷲尾理事長に市内の和仁先生、東京からの野瀬氏と、市民の目線で食文化を語るには最高のメンバーだったと思います。

参加者の顔ぶれはいかがでしたか?
 夫婦ずれや子供ずれが多かったのが特徴です。奥様方は正装されて、高級デパートに来られた感じ。一方、まん丸とした足がニョコッと出た乳母車がブースに近づいたりして、まさにフェスタの様に楽しもうと言う雰囲気です。高校生は全部で15名程、若干寂しい。変わったところでは、高知の大学生の参加がありました。



辛口のコメントは有りませんでしたか?
 『展示ブースが少なくて』と言うのが多かった様です。また感じたことですが、受付場所と展示会場が一緒で、混雑のあまり、見るには忙しすぎると言った様子がありました。
 
大学が食品に関するフェアを主催したのは恐らく日本で初めてのことだと思いますが?

 ええフェスタが終わって暫くの間、沢山の人を巻き込んで開催した事に対して、応えうる成果をあげたのかと自問していました。特にブース展示を行った企業の誠実さに、きちんと応えたのかと。

少々堅苦しい感じですが、一応答えを御聞かせください。

 1つの救いが、講演と鼎談で参加した人に充分に楽しんで貰えたことです。また食文化の話しを楽しみながら、開発すべき商品イメージが湧いて来たのではないでしょうか?2番目は市民による試食が大きな意味を持った事です。乳母車を押してピクニックに来たかのような雰囲気での試食。傾聴すべきコメントが沢山あったようです。今後はこの様なコメントが展示者に沢山伝わるような工夫が必要だと思います。そして高校生と大学生の参加。高校生は自作の商品が売り切れて大変喜んでいましたが、初々しいですね。



このフェスタは来年も開催するのですか?
 ええ、来年はご後援頂いた法人やブース展示で参加した企業の皆さんと一緒に企画を練ってみたいと思います。水産大学校からも食品科学科だけでなく、食に接点を持っている他学科からの参加も期待しています。食文化が接着剤となって、産民官学の人たちが一緒になって、食を楽しみながら街の発展を語り地域の振興を語る。そんなフェスタを来年も開催したいと思います。
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