食品科学科オープンキャンパスについて、食品科学科長に聞く

2010年4月30日 掲載

 本日は、食品科学科オープンキャンパスについて芝恒男・食品科学科長に聞きます。

 学科オープンキャンパスですが、随分と変わったオープンキャンパスのようですね。
 はい、技術フェアとの同時開催です。「下関フードテクノフェスタ2010」と題したフェアとの同時開催です。

 ユニークな企画ですが、高校生は戸惑いませんか?
 大丈夫だと思います。まず10時30分から食文化に関する講演と鼎談を聞いて頂き、お昼をはさんで13時30分から学科見学と模擬実験に参加して頂きます。15時くらいに終了します。学科見学と模擬実験は高校生だけを対象としています。


実験風景

 なるほど、それでは模擬実験から聞きます。どんな内容でしょうか?
 砒素の分析実験です。

 砒素!?
 驚かないでください。決して怖くありませんから。砒素は自然界に広く分布しています。それも無毒なかたちで。今回は海産動物から硝酸を使って砒素化合物を抽出し、HPLC-ICP-MSを用いて分析することを体験してもらいます。海産動物に分布する砒素化合物はアルセノベタインを主成分とした安全な化合物であることを理解してもらいます。

 なんだか頭が混乱してきます。HPLC?・・・・。一体なんですか。そしてアルセノフェタイン?
 いやいや、アルセノベタインです。いい響きだと思います。砒素をふくんだ有機化合物だと説明しておきましょう。このかたちで砒素は魚介類などの海産食品に分布していることが多いのですが、無毒です。

 先生、HPLCは?
 いやいやすいません。一回で説明しなくて。つまり高速液体クロマトグラフィーと言って、硝酸で抽出された混合物の内からいろいろな砒素化合物をより分けてくれます。つまり殆ど純粋の状態にしてくれます。そして次にICP-MSと呼ばれる機械で構造を解析するのです。

 まだピンと来ませんけど、次に紹介してくれる施設を教えてください。
 においの分析システムや、先ほどのICP-MS、さらには遺伝子解析装置などが機器の紹介としては目玉でしょうか。そのほか、食品加工実習工場で、食品科学科が企業と共同開発した食品加工機械などを見て頂きます。


電子鼻、におい分析装置!

 特別な機械ばかりでなく、一般の設備はどうですか?
 そうですね、学生実験室や学生控え室、さらに教室などを見て頂きます。色々な大学を見ている人であれば分かると思いますが、学生が快適に学生生活を送れるような施設となっています。

 ま、見てからのお楽しみ、と言う訳ですね。
 いやいや、厳しいですね。


学生控え室

 最後に食文化に関する講演会は、高校生にとって少し堅苦しくないですか?
 とんでもない。実に砕けた内容です。講演をお願いしているのは前レコード大賞審査副委員長の野瀬泰申氏、なんてたって「B級グルメ」と言う言葉の言いだしっぺなんですから。

 先生、『言いだしっぺ』なんて下品ですね。
 すいません。なんて言ったら良いんでしょうか。B級で、「気取っていない」と言ったメッセージが伝わってきます。美味しいものに、上品・下品は無いと言った主張でしょうか?野瀬さんは全国を回って、街角のレシピを味わいつくしています。どこそこのラーメンがどうだとか?

 それだと私たちの普段の生活に随分と近いですね。
 ええ、ただそれだけでは無い。全国との比較で分析が入るんです。それも気取ったかたちではなく。

 なんか新しい世界を覗くような気がします。高校生も楽しんでくれると良いですね。先生、最後にひとつ、昼食はどうなるんでしょうか?
 お昼は生協で食べられます。そのほか、ほんのちょっとですけどトラフグでも食べてもらいましょうか?

 うえっ!すごい。今日は有難うございました。

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