後期授業の開始にあたって----食品科学科長に聞く
2008年10月7日 掲載
後期授業が10月1日から始まりました。食品科学科の様子は如何ですか。 閑散とした2ヶ月の夏休みが過ぎて、30日あたりから前期試験の答案をとりに来る学生で急に騒がしくなりました。夏休みはどうだった?に始まる会話で時間がとられ、予定していた仕事が出来ないほどでした。 今ごろ答案を取りにくるなんて、遅いのではありませんか。 ええ、とても遅い。食品衛生学の3年生は7月中にとりにきたのに、微生物生態学の2年生は学期始めで、何故かと言うと、とても出来が悪かった。学生達も自覚していたのでしょう。答案を受け取るのも恐る恐ると言った感じでした。 何故そんなに悪かったのですか? 自覚の問題でしょう。学生に「難しかったか」と聞いても、答えは殆どが『勉強が足りなかった』です。教師に遠慮しての返事だったのかもしれませんが、自分の置かれた状況を良く考えて、もっと勉強して欲しいと思います。 |
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教室風景 |
講義棟裏の中庭 |
さて後期授業の始まりにあたって学生への要望を聞かせてください。 3年生について話しましょう。食品科学科では3年生の10月から本格的な学生実験が始まるとともに、卒業研究の研究室配属や就職活動の開始など、重要なことが目白押しです。後悔のないように取り組んで欲しいと思います。 |
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講義棟内のホール |
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就職活動ですが、学生に対してアドバイスをお願いします。 今年の食品科学科では、地元志向が強まりました。一部上場の大手企業を蹴って、実家の近くの中小企業に就職を決める。殆どが両親のことを考えてのことですが、一生の食い扶持をしっかり確保する方がもっと大事だと思います。 食い扶持の他に、就職には「自分の夢を実現する」と言った要素もあると思いますが? その通りだと思います。ただ夢を実現するためには、生活基盤を確保しなければいけません。ここ30年ほどは生活基盤のことを考える必要がないほど国が豊かだった。しかしこれからの30年は厳しいと思います。 学生実験にはどんな内容がありますか。 食品衛生学実験などで、食中毒細菌の同定法などを学んだ後に、洋上鮮度管理実習で魚の鮮度管理の方法を学びます。そして総合衛生管理製造過程と呼ばれるHACCPの学習や、加工原理を学ぶ食品工学実験、健康増進機能を高めた水産食品の製造・分析実習などがあります。 聞いていると、とても専門的で窮屈な感じがします。 ええ、これまでに行ってきた生物化学実験や機器分析実験に比べ、かなり専門的です。ただ3年後期に行う実験・実習は就職に直結するものが多い。しっかり勉強して食品分野で活躍出来るようになって欲しいと思います。また洋上鮮度管理実習は大学の練習船に乗っての作業で、海原での作業はとても快適で、窮屈と言う感じはしません。 卒業研究の配属についてアドバイスをお願いします。 研究室を選ぶうえで、どこが楽かと言った観点でで選ぶ学生がいます。卒業研究で最も大切なことは、達成感です。およそ1年間、一つのテーマを探求して答えを出す。物事を達成することのひな形を体験出来るわけで、とても貴重です。是非とも前向きな考えで研究室を選んで欲しいと思います。 どうも有り難うございました。 |