「魚餐とビジネス」講義の開講〜講義世話係の原田和樹教授に聞く


2009年7月8日 掲載

 原田先生! 何やら、食品科学科で、新しい講義がスタートしたとか。何も情報が伝わって来ませんので、詳しい事を話して下さいよ〜!

 はいはい、判りました。君が言っているのは、きっと「魚餐とビジネス」という科目の事ですね。私が、この講義のお世話係をさせて頂いていますので、まあ、私がお話させて頂くのが一番よろしいでしょうね。しかも、今年度はようやく前学期が終了に近づきました。途中、世間で新型インフルエンザ騒ぎがあったりしましたが、何とか無事に終える事ができそうで、ホッと一安心しています。

 そもそも、何で、この科目が開講される事になったのですか?

 実は、君は気が付かなかっただろうけれども、君たちに配られた平成19年度入学生のシラバスの授業科目の目次の中には、3年生開講科目として、既に計画されていた科目で、そういう意味では、予定通りの開講だったんですよ。

 似た名前の科目に1年生の時に習った「魚餐の科学と文化」という科目がありますが、その科目と何か関係があるのですか?

 よくぞ聞いてくれました。その通りです。「魚餐の科学と文化」を習う1年生の時は、学外から水産業の文化を担うプロをお呼びして、まず、皆さん達に水産に慣れ親しんで貰いました。謂わば水産の入門編です。これが、3年生になりましたら、皆さん達は、今度は強く就職を意識し始めます。そこで、皆さん達に、水産系の職業に対する正しい理解とモチベーションを高めて貰うのが、「魚餐とビジネス」という科目の主旨なのです。そういう意味合いですので、水産ビジネスの分野で成功しておられる外部講師を呼んで、ビジネスの成功体験談や苦労話、現状の問題点や将来の希望などを、身近に語って頂いたのです。

 ふーん、趣旨は良くわかりましたが、具体的には、どういう講師陣だったのですか?

 講師陣には、水産小売業、水産流通業、水産加工業、水産市場、貿易から見た世界の中での日本の水産業の位置付けなど、多岐の分野から来て頂きました。その強力な講師陣のラインナップを紹介しましょう。
 水産小売業界を代表して、下関唐戸魚市場の中に店舗を構えておられる今人気の(株)林商店の代表取締役社長の林憲志氏、また、水産市場を代表して、フグの取り扱い量日本一を誇る前述の下関唐戸魚市場(株)の代表取締役の松村久氏、水産加工分野からは、本校食品科学科のOBでもあり、「骨なし魚」の発明で、病院食や介護食の分野で一世を風靡し、また、食育の分野で大議論を巻き起こした(株)大冷の常務取締役の後藤健一氏、更に、かまぼこ業界では優良企業と折紙が付いたフジミツ(株)代表取締役社長の藤田雅史氏、流通や貿易の分野からは、本校食品科学科のOBで世界を飛び廻っておられるクラレイ(株)商事部水産課課長の松本英丈氏や、日本貿易振興機構(ジェトロ)山口貿易情報センター所長の井手謙太郎氏といった最強のメンバーで講義をして貰いました。

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(株)林商店の林憲志代表取締役社長による「水産小売り業界の問題点と可能性」の講義

食品科学科OBでもあるクラレイ(株)の松本英丈課長による「水産業界の流通の仕組と貿易業務」の講義

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本校食品科学科のOBでもある(株)大冷の後藤健一常務取締役による「食育と水産加工の新しい展開」の講義中に学生達が「骨なし魚」を試食しているところ 

下関唐戸魚市場(株)の松村久代表取締役による「水産市場の現状・特殊性と未来への可能性」の講義

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日本貿易振興機構(ジェトロ)の井手謙太郎山口貿易情報センター所長による「世界の中の日本の水産業界の位置付け」の講義 

フジミツ(株)の藤田雅史代表取締役社長による「水産加工食品かまぼこの新しい企業展開」の講義

 他では学ぶ事の出来ない講師陣と講義内容ですねえ。

 その通りです。受講した学生さん達も、講師陣による実際の生の体験談の講義でしたから、きっと、心の中にずしりと講師陣の講義内容が入った事でしょう。大きな自信に繋がったと思います。どうか、君も含めて、就職戦線を乗り切る就職活動を頑張って下さい。

 今日は、どうも有難うございました。

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