「洋上鮮度管理実習を終えて」前田俊道准教授に聞く

2008年12月18日 掲載

食品科学科3年生の「洋上鮮度管理実習」指導から帰ってこられました前田准教授にインタビューしました。

洋上鮮度管理実習とはどんな実習ですか。
漁獲した魚をどのように取扱えば高鮮度に保つことができるのかについて、食品科学科3年生の学生が水産大学校の練習船に乗込み実際に体験して学ぶ実習です。今回は練習船の天鷹丸に乗って行いました。
水産大学校練習船 天鷹丸 さあ、出港だ!

具体的にはどんなことをしたのですか?
大分県佐伯湾に停泊して、天然ブリやヒラメを生け〆してスラリーアイスで冷却した場合と、〆ずに下氷に保蔵した場合、鮮度にどのような差が出るのかを実際に体験してもらいました。鮮度はK値分析、硬直指数、体表の色、目の濁り度合いにより調べました。
天然ブリを使いました 鮮度分析中

食品科学科なのになぜ船で実習をするのですか
私たちの食卓に並ぶお魚は、漁獲してからの取扱いが適切でなければ、食品として安全で価値のあるお魚にはなれません。このことを食品について学んでいる食品科学科の学生にしっかりと理解してもらうために行っています。

どれくらいの期間実習するのですか?
実習は11月4日から11月18日の15日間でした。天鷹丸の乗船は11月4日〜11月14日の11日間で、残りの4日間は大学に戻って処理した試料を分析しました。乗船途中大分港に着岸して11月8日〜10日まで大分マリンカルチャーセンターで海洋科学館の見学等の研修をしました。

船での生活はどうでした。
船での1日の生活を簡単にまとめるとこの様になります。
6:30 甲板でラジオ体操
6:45 掃除
7:00 朝食
8:00 実習開始
11:30 昼食
16:00 実習終了
17:00 夕食
20:30 清掃
21:00 巡検(各部屋の人員が揃っていることを確認するため点呼します。)

びっしりスケジュールが詰まっていますね
そうでもありません。空いた時間には、魚釣り、縄跳び、ゲームなどで、学生は結構楽しんでいた模様です。コウイカを釣った学生は、慣れた手つきで刺身を造って堪能していました。さすが食品科学科の学生です。

イカを狙っています 皆で記念写真

船酔いする学生さんはいましたか?
今回は天候も良く船酔いした学生は殆どいませんでしたが、大分入港前が少しゆれて5−6名の学生は少し気分が悪くなったようです。それでも、数時間後には他の学生さんと一緒に元気に作業をしていました。

実習を終えた学生さんの感想はどうでした?
何人かの学生に感想を聞いたところ、「面白かった」、「魚を〆るのが意外に難しかった」、そして「自分勝手な行動は全員に迷惑をかけることや時間厳守の重要性が身にしみてわかった」などがありました。実習を終えた学生は一回り大きくなったように思います。この貴重な体験を今後の生活に活かして欲しいです。

品科学科の学生にとって重要でユニークな実習であることがよくわかりました。有難うございました。

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