水産大学校は、山口県下関市の響灘に面した日本海を一望できる風光明媚な自然豊かな海岸に位置しています。本校は、農林水産省が所管する4年制の高等教育機関です。合わせて修業年限2年の研究科、そして同1年の専攻科を擁しています。卒業すれば学士の資格、修士の資格、そして上級海技士などさまざまな資格を得ることができます。
ご存知のとおり日本は四方を海に囲まれている海洋国家です。特に海の幸をいただく水産業は古来、日本の食生活を支えてきた重要な産業です。世界文化遺産に登録された「和食」は、昆布や鰹節などの水産物から得られる「出汁」がなければ成り立ちません。津々浦々で得られる水産物はその特性に合わせた食品として日本各地で利用されてきました。
本来、水産物は再生可能な資源です。しかし近年、さまざまな要因で漁獲量が減少したり、不漁が続くといった事態が生じています。また「魚離れ」が進んでおり、水産業界は厳しい状況にあります。合わせて、日本の人口が減少し、急激な高齢化が進むなかで、水産業に従事する方々の減少と高齢化が問題となっています。こうした中で、水産に関連する法律の大幅な改正が70年ぶりに行われ、国の水産政策が大きく変わろうとしています。
新しい水産の世界は、若い皆さんの力にかかっています。水産に関係する業界や研究・行政機関においては、世界的な視野に立ちつつ、かつ現場目線で問題を柔軟に解決できる人材を求めています。私たち水産大学校の教職員一同、水産のフロンティアを切り開く仲間として、皆さんの来校を期待しています。
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