水大歳時記(平成十五年度)

  春 の 部

     春、陽春、芳春

  春なのに雪がふるふる下関

  雪降れど何故か暖か春のおとずれ

  春に舞う粉雪静かに踊ってる

  冬過ぎてポカポカ陽気な春がくる

  春の子が暮らしの中でかくれんぼ

  春気分感じ始めるこの季節

  がんばるぞテストが終われば春休み

  早いなぁテストが終われば春が来る

  春の航行き交ふ波の白き線

  寒いけど一月すれば春休み       (編者)笑い顔マークと広野に立つ樹木のイ       ラスト略.

  鳥の声ラララララララ春の声

  太陽をかなり浴びてる春の午後

  ぬくい風動きたくなるこれぞ春

  春うたたスヌーピーも寝ているよ

  今晩も部屋でのんでよいつぶれ      起きたら校庭これ春の証

  春の海 命のメロディー奏でだす    春の森 命のリズム響きだす   春の空 命の風が洗い流す   春の私 大人への一歩をふみだす

  春の灯(ひ)に寄って釣られるアオリイカ

  釣り行けど春の吉見はフグばかり

  春だけど半そで一枚気もちいな

  春一番原付ドライブすがすがしい

  春なのに心はさみしい冬なのだ

  春に入りいつまで続く夢の中

  水大の夏はいつくる春の日々

 

       立春

  朝起きて今日が立春気がついた

  立春 雪が降っては春遠し

  こよみでは春になったが外は雪

  立つ春と言葉ばかしの雪の粒

  雪の降る春まだ遠き立春の      寒空見上げくしゃみする

  立春のまだ身に冷たし風が吹く

  立春やいつ芽が出るか山の木々         (編者)芽が出そうで出ない山の木々のこと。

  立春は春と思わせまだ寒い

  立春は冬の名残がありにけり

  立春は春のおとずれ感じるね

  節分の福は内と共に春きたる

  薄氷が解ける頃には春来たる

  立春でもまだまだ寒い吉見かな

  立春桜の花咲いている

  そよ風にぬくもり感じる春の訪れ

  寒さに耐え春が来たりて咲き誇る

  鳥がなくさからがふいて春がくる         (編者)「さから」とは何ですか?

  春来たり空をかつぐぞ子供祭り

  春が来て君はきれいになった〜〜。

 

  早春、初春(しょしゅん)

  寒空に雪が舞い散る初春かな

  早春の花が散るちる雨桜

 

       三月

  3月は日ざしが強く薄氷

 

    如月(きさらぎ)

  乾燥が喉を痛める如月かな

 

       四月

  春来たがまだまだ寒い4月の海

  君の名を聞いたの4月忘れたよ

  四月過ぎ袖の長さが決まらない      もうすぐ袖も決まるだろうな

 

       清明

  清明に水面をわるのはカレイかな

 

  春暁(しゅんげう)、春の朝

  晴るの朝気持ちは起きし体は起こさず

  春の朝まだまだ寒い長そでだ

  春の朝違和感おぼえ見上げれば      我が一物天上を貫く

 

    春昼(しゅんちう)

  春の昼授業わすれてうとうとと      夢の中では授業うけつつ

 

     春の夜、春夜

  猫も鳴く夜にニャーニャー発情期

 

      麗か、麗日

  春うららいつも木影で光合成

  春うらら教室に咲く花ちょうちん

  春うらら授業さぼって山頭火

 

     行く春、春終る

  春過ぎて日射しまぶしく目に痛し

  春過ぎて木々の葉っぱも緑(あお)くなる

  春がすぎ あつさもちかい春のおわり

  春過ぎてふりこんじゃったよ四暗刻

  春を越し夏秋過ぎて冬が来る

 

     夏近し、夏隣

  夏近く日もあたたかくのどかだな

  春過ぎて夏ちかづきて胸オドル

  玉の雲気温も上がり夏まじか

  雨降って風がやんだら夏はそこ

  夏近し頭を垂れる季節来た

  夏近く虫が五月蝿く夜寝れず

  夏近く蚊の飛ぶ音で眠れない

  夏ちかくおれの根城に虫集結

  夏近く布団で寝にくしこの季節

  渡りガニ接岸しだすと夏近し

  日のひかりなつにちかづきもえている

  夏近くみじかき夜を堪能し

  夏間近か思い出すのは夜の花火

 

     春の日、春日影

  春の陽(ひ)をいいわけにして寝る授業

  春の日のガソリンつごうとスタンド行くとき      我が衣手には一銭もなし

 

  春の月、春(しゅんげつ)

  春の月 水辺にうつるその影は      揺れる心をうつす鏡

  月光がぬらす海ながめ一人歩く       (帰り道)

 

     春風、春の風

  春風に吹かれまたまたこたつ出す

  春風過ぐ桜散り乱れ

  春風の波あらだたす港町

  ぽかぽかと春の波風あたたかく      桜見ながら酒を飲むべし

  ポカポカと眠気を誘う春の風

  春の日に眠気を誘う春の風

  春風につられて空を飛びにけり

  春風に吹き飛ばされて神隠し

  いい気分春風を受けてすがすがしい

 

       春一番

  春一番吹いたらぽかぽか五月病

 

  春雨、春霖(しゅんりん)

  春の雨あたたかいけどうっとうしい

  春雨で単車乗れず悔やしけり

  昼食に春雨がでて外も雨

 

     霞(かすみ)

  河童の川霞に千鳥舵を取る

  春日和    授業を受けつつ霞がかかる     眠気をさそわれ     やみにおちるは我がまぶた

 

  河童の川霞に千鳥舵を取る

 

    陽炎(かげろう)

  かげろうに心をゆられ海ゆられ

 

       花曇

  講義中花曇を見に抜け出したい

(編者)「講義する吾も眠たし花曇」(岡安仁義)にならって   講義受く吾も眠たし花曇       (編者)先生に頭を殴られているイラスト略。

 

春の海、春の浜、春の渚

  桜散る花びら浮かべて春の海

  轟くも心静(しず)なる春の海

  赤々と夕日が沈む春の海

  暗くなり冷たい風吹く春の海

  満月と今宵も躍る春の海

  春の海夜にたたずむ静かな輝き

  春の海泳ぐの少し早いかな

  春のうみ泳ぐに早い春の海

  春の海夏の海まで潜ります

  春のうみ浜辺で遊ぶ孫に祖父の顔

  春の海みなの心をいやしけり

  春の海魚釣りにもってこい

  春の海童心かえり潮干狩り       一気にあたたかくなり、おもわず前海の浜に降りて友        達と小魚やエビをつかまえました

  春の海浜辺で喰らうははまぐり

  春の海俺のうみも春のうみ

  春の海俺の心と真逆なり

  春の海渡る風には夏の色

 

       春の波

  おだやかな春の海には春の波

  春の波何を運ぶるその波に

 

    薄氷(うすらひ)

  薄氷がさわるとわれる遅い朝

  お湯わかし君との間の薄氷

  薄氷をふんですべって試験もこける(笑い)

 

     入学、入学式

  新入生希望を胸に桜道

  桜まう並木道歩み入学式

  新入生桜と共に寮で散る

  新入生しれーっとまぎれてニセ1年

 

       卒業

  春の日に卒業に泣く若き者

 

   汐干狩(しほひがり)

  なつかしの汐干狩ったら汐干狩

  汐干狩貝がなくても人はいる

  潮干狩り春の日ざしで日焼けした

  夕焼けの海を見ながら潮干狩り

  沈みゆく夕日を背に受け汐日狩

  汐干狩り子供にもどれるひとときよ

  汐干狩今日はどこまで行ったやら

  汐干狩逃げる貝とる子供の笑顔

     汐干狩潮が引くまで水遊び

  汐干狩あさりのような僕でした       殻の中と外と…

  潮干狩今晩のおかずはあさりかな

 

      花見、観桜

  酒を飲む桜見るより酒を飲む

  花見より飲むのに必死男達

 

      春の風邪

  風邪の床選挙の車耳ざわり

 

     春眠、春の眠り

  春になりあたたかすぎてねてしまう

  あたたかさやけに眠いぞ春ごこち

  毎朝が眠気との戦いもう嫌だ       新学期が始まって間もないが、毎朝が眠気との戦いで        ある。

  春眠寝ても眠れずただ眠い

 

    バレンタインデー

  恋こがれ夢にまで見たバレンタイン

  2月14日何個チョコレートもらえるのかしら

  バレンタイン気合十分☆でもテスト…。           (編者)星印は文字化けしているかも。

 

     雛(ひな)祭

  ひなまつり五人囃子がかわいいな

 

   蛙(かはづ、かへる)

  古池やカエル飲まれる音がする

  古池やかわず飲み込む音がする

  古池やかわず喰われる音がする

  蛙も泣いたゲロゲーロ

 

     桜鯛、花見鯛

  桜鯛海にも光る赤い色

  我思う桜鯛こそさしみかな

  本当にいたら食べたい桜鯛

  桜鯛 なんで?桜鯛

  桜鯛還暦祝いの主役ったい

  桜鯛桜色した桜肉

  桜だい桜だと思った魚かよ

 

    公魚(わかさぎ)

  ワカサギのあげる軽さに力みけり

 

     栄螺(さざえ)

  晴れの日はいつもみんなでサザエとり

  サザエ採り潜り潜って三個だけ

 

     蛤(はまぐり)

  アサリでもしじみでもない蛤

  蛤を食べたつもりが鏡貝 (じゅう)

  蛤や炭火に焼かれ口あけた

  蛤よ俺の口へさあおいで

  ひきこもり僕も蛤ひきこもり

 

     浅蜊(あさり)

  宮島の鳥居の下で浅蜊掘り

  

      蜷(にな)

  シッタカを栄螺(さざえ)の赤子と胸はる子                (じゅう)       「シッタカ」とは、こっちでいう「ニイナ」という貝

 

  海胆、雲丹、海栗(うに)

  ウニを採り家に帰って米を研ぐ

 

       

  うめのみがあおからあかへあからがお

 

       

  花が散り今日の授業もこれ終了       こんなシュールな日は水曜。

  春なのに散りゆく花びら俺の恋

  花がさく わたしの花はまだつぼみ

  花を見る花粉のせいで鼻が出る

 

       

  吉見町山海多いが桜少なし

  風に舞う桜の花びら春の雪

  桜坂雨に打たれ花絨毯

  今日もまたサクラ散らねど未だ咲かず       1年と少し前大学の試験結果を待っていた時のこと

  人の命(たま)咲いて散る花桜なら   今の私は三分咲

  桜咲く頃入寮式 押忍で散る花新入生

  桜見てかなしくおもふ寮行事

  桜坂いまだに人気はあるのかな

 

       山桜

  山を見て春を知らせる山桜

 

     落花、花吹雪

  春過ぎて花びら一つ桜散る

  春が来た舞い散る桜に人が酔う

  音無く散る桜幾年にもわたり      咲き散り生涯を終う

  ああ桜何故に散りゆくはかなくも

吉見の台風並の風によって早くも散ってしまった桜を見て   早々と吉見の風に散る桜

  一晩で花びら散らす吉見風       いつもの強風で桜も一瞬で散ってしまい花見も出来な        かった

  桜散る体ふるえる寮行事

  人恋しわが心にも散り桜

  桜散り我が恋桜散り去りぬ

  桜散り恋が散れば髪も散る

  桜散り別れがあってまた出会い

(編者)高浜虚子作「土佐日記懐にあり散る桜」にならって   藤原紘記懐にあり散る桜       (説明)僕の心の中のせつなさとか…

  桜散り山は緑に衣替え

 

       

  ふじの下真夏の外の楽園か

 

       桃の花

  里帰り花見をするが桃咲き乱れ

 

       杉の花

  花粉症我が鼻の穴花の粉

  オブラート包んで飲むは花粉かな

 

       菜の花

  風に揺れ黄色く光る菜の花よ

 

  紫雲英(げんげ)、蓮華草

  春の田の刈り穂の後のレンゲ畑

 

    蒲公英(たんぽぽ)

  散歩中目を奪われるタンポポに

 

  土筆(つくし)、つくつくし

  霜溶けてつくし顔出す春日和

 

     海苔(のり)

  潮の香をほぐさむとしてのり洗う

 

       授業

  文学を楽しく学ぶある春の日       (編者)実に素晴らしい句です!

  来てみるといつもいっぱい文学1       (編者)もう少し静かにしてくれたらなぁ

  教室に眠気を運ぶ南風       春の暖かい南風が窓から教室に入ってくるたびに、だ        んだん眠くなっていく自分の体験をうたってみました。

  ネタがない笑いの神様もうダメだ

  今日の授業はちょっとわかりづらかった

  定食で午後の授業は眠いです

  つかれたな今日の授業はだるすぎる

  文学1どうにかこうにか起きている      眠りたい年頃です

  楽しかった。おもしろかった。ためになった。       (編者)なんだか自棄で言っているように聞こえます        が?

  午後の授業あの人の後ろに席をとる      講義の声は右から左へ

  実習に小舟で海にいざ出発      取る舵気分はまさに船長

 

      学生生活

  日本のド田舎にある吉見町

  吉見はね海がきれいだ泳ごうか

  寮生の名物赤フン イン 吉母

  オスもといオレの人生にかけてくれ

  吉見湾思わず指さしタラッタタラッタ♪       (編者)授業を聞いててくれてありがとう!

  舟に乗り男臭さが身にしみる

  魚はねスイスイススイ泳いでく!!

  空を見て流れる雲に思い寄せ

  青い海青い空穏やかに暮す我が人生

  人生とはその日その日のこと

  三千世界の鳥を殺しぬしと昼寝がしてみたい       (編者)どこかからの引用でしょうか?

  身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも      留め置かまし大和魂       (編者)どこかからの引用でしょうか?

  電車の待つ間に思うふるさとよ

  しとしとと週末の雨元気奪(と)る

  当たらないムダに多いカサひとつ

  ともし火の影はほそく見る今宵かな

  アジを釣り泳がせて釣るアオリイカ

  竹の子を味わいたいと思ってる       竹の子を食べたいが、調理法がよくわからないので食        べる事ができない。

  基(もとい)かけどなりキレだす2年生       水大寮では今、こういう事がひんぱんに起こってい        る。(1年生ができていないので) 

  朝がきてオスオスオスの声ひびく

  大学生なれたはいいが寮の中      こっちでオスオスあっちでオスオス

  まだこない あれだけ呼んで聞こえてない

  ネコを呼ぶしっぽだけふって あいそなし

  ねこのひげ あるとないのは大違い

  空の鳥ぐるぐるまわって、何してる

  海響館デートでいって今もなお      続いてるカップル見た覚えなし (じゅう)

  選挙前市議会議員うるさいねん!       蛤が食べたくなった。

  政治家の大はばカット給料を      当選したけりゃこれを言え (じゅう)

  侍は子連れ狼水戸黄門

  聞いておそろし見ていやらしい      添うてうれしい奇兵隊

  大丈夫の恥を忍びてゆく旅も皇御国の為とこそ知れ       (編者)どこかからの引用でしょうか?

  広い世界に長州無くばやがて世界は闇となる       (編者)どこかからの引用でしょうか?

  まごころをつくしぬきぬは国のため     立ちかへるべきころも手にせよ       (編者)どこかからの引用でしょうか?

  動ケバ雷電ノゴトク発スレバ風雨ノ如シ       (編者)どこかからの引用でしょうか?

  人間だけが恥を知り御恩を知る (by前川)

  鬼ばかり渡る世間は鬼ばかり

  運命は瞬時に変わる偶然に       (意味)始めは運命だと思っていたこの出会いもすぐ        に偶然に変わってしまうものだなぁ。

  テンションがあがりまくり↑

  友の顔上目づかいにアントニオ

  休みの日講堂行ったらガラスない       部活しに行ったらガラスが一部われていてとてもびっ        くりした様子

  新学年 気分一新      でも現実は再試の嵐

  雨の夜洗濯かわかずくさいかな

  バースデー飲みすぎちゃってリバースデー

  水大生貯水池へ釣りに行き      怒られカーチェイス

  萩に行きたし小倉も未練ここが思案の下関

  夕やみに日やけしている君がいた

  月明り背中に浴びて闇に散る

  虫を追い水面揺れる魚かな

  ついにきた心もおどる釣りの時期

  雨の海見えてくるのは心の雨

  高層ビルの配水管     大都市の下水道        大切なものは目立たない

 

       

    人生  昨日を振り返るなら  見えない明日を見つめよう  こんな強い自分がいることに  気付いたのは  この道が誰でもない  自分で選んだ道だから

    水大  七曲がり過ぎれば  海のかほり  見えてきた  フィッシングパーク  これが水大に  近づいた  しるし。

    君への想い(仮題)  晴れ渡る日も  雨の日も浮かぶ  あの笑顔  思い出遠くあせても  さみしくて恋しくて  君への想い

    蹶起(仮題)  身は数創を被っていまだ志灰えず  いずれの時か蹶起し、気埃を払わん  喜ぶべし君が雄略、方寸に存するを  病苦忘れ来たり且杯を侑む       (編者)どこかからの引用でしょうか?

    国灰えんと欲す(仮題)  心胆未だ灰えざるに国灰えんと欲す  何ぴとかはらい尽さん満城の埃  身に漆し炭を飲むは吾曹の事  防長の杯土を護り来たらんことを要す       (編者)どこかからの引用でしょうか?

    通り雨(仮題)  通り雨  心をくもらせる。  その後に虹がでたなら、  心はみちる。

    雨(仮題)  雨は泪を隠すけれど  そんな事じゃ心晴れなくて  いつかこんな自分の姿  思い出して  笑い飛ばせたらいいな

    僕らの道(仮題)  真っ青な空の下で光っている雲が  緑の芝生の上をゆっくりと流れていた  淡い木漏れ日の下で泥まみれのぼくら  プールで濡れた君の髪に風が吹きぬけた  マニュアル通りに生きたって  何も始まらない  僕らの歩いていく道は  アスファルトなんかじゃない

    水(仮題)  一滴の水が川を流れ、海へつく。      そこから、水蒸気になり雲となる。  たとえ、言葉がなくても  たとえ、耳がなくても         水はお互い支えあって生きている。  いつまでもずっと…

    我の道を行く(仮題)  月明かりの下   思い出は星空となり    ただ今、我の道を行く。

 

      エッセイ

 僕は厳しい日本海で育ったのだが、海を女性とし て美しく思っている。確かに波の激しい、厳しい時 期もあり、その時はいやな思いをすることもあるが、 男女のつきあいも同じようなものではないだろうか と思う。

 神話の中での海は有機的な要素が多いようです。  海から神が生まれたり、変な話、死体から海がで きたり。(大地もですが)  古代人は大地や海を生物のように見ていたようで す。  環境保護がさけばれている今、人間の感性はよう やく古代人に追いついたのかもしれません。

 春になり、花の香りが漂う季節、七曲がりを車で ドライブしていると磯の香りがした。冬には寒くて 窓を開けなかったので、磯の香りを忘れていたのだ なあと感じた。都会では味わえないこの贅沢な時間 を大切にしたいものだ。   水の香を自らにほう ななまがり

  桜見にいく暇もない忙しさ  去年吉見に来た時はすでに桜が散っていて、花見 ができませんでした。  「来年は、絶対にお花見しよう」と思っていたの ですが、いざ、お花見の季節になってみたら、帰省 だの、バイトだのと忙しく、結局、今年も見れませ んでした。  「桜」のように、日本全国に植生していて、きれ いな花を咲かせる木は珍しいのではないでしょうか。

  下関、ああ下関、下関  私、三木拓也が初めて下関に来たとき、下関の自 然の素晴らしさに驚嘆し、思わず発した俳句である。 すごくない!?

  島巡りして来し花の港かな (酒井小蔦) において、季節の変わり目というのは航海とよく似 ているのではないのかと思った。

  島巡りして来し花の港かな (酒井小蔦)  春休みにハウステンボスに行った。長崎県の出島 という島で、九州本土とははなれた所に、たくさん のチューリップが咲いていた。  本当に花の港という感じで、このうたと同じ気持 ちだなと思った。

  島巡りして来し花の港かな (酒井小蔦)  今年は就職活動や研究室が忙しく、じっくり桜を 見る余裕もないまま、いつのまにか散ってしまって いたので残念だ。この俳句はのどかでゆるやかな時 の流れを感じ、とてもうらやましいと思う。

  水急ぐ故花の土手映さゞる (井上哲王)  春がすぎるのははやい。  私には、流れの速い水が、春とかさなって思える。 桜がさいて、春だと実感するとき、もうそれはすぎ ようとしている。

  思ひ川渡ればまたも花の雨 (高浜虚子)  思ひ川というのは恋路であると思われる。 誰しも恋の道に一歩足を踏み入れれば、そこには降 りやまない花の雨。人生とはなんと美しいんだと思 わされる一句でした。やはり、恋は大切なんだと思 わされ、その美しさが良く伝わってきた。

  をちこちの桜に舫(もや)ふ筏かな (白雄)  桜がきれいに咲いている中に筏船がゆっくりと横 切る風景が心に浮かび、しとやかな感じを受けた。

  土佐日記こゝに始まる山ざくら (大久保橙青)  旅を始める時季が丁度春で、周りを見渡すと一面 山桜が咲いている。これからの旅が楽しみに満ちて いることをあらわしている。   都人 ああ 都人

  山桜見て居ればつく渡舟かな (波多野晋平)  この気持ち、よく分かります。先生によって授業 時間を長く感じたり、短く感じたり。この授業は…       (編者)短いに決まってます。

  山桜見て居ればつく渡舟かな (波多野晋平)  春です。この作品を見ると、春のあたたかい日射 し、青い空を思い出します。  寒い冬でさみしくなった山々に桜のあわくきれい なピンクが所々に咲いている。  今の私たちの生活にはない静けさ、平穏な時がこ の中に流れているような気がします。  見ていればつく渡舟かな。 こういう時が今の日本には大切だと思う。

桜の4番目  さくらが意志をもっていそうな感じがよい。   吉野山 花は盛りににほふらん(新古今和歌)  が好き。       (編者)桜の4番とは高浜虚子作「土佐日記懐にあり        散る桜」のことです。

  ちるさくら海あをければ海へちる(高屋窓秋)  この句を読んだ時に、言葉にできない感動が生ま れました。「さくら」が散るのは何かはかない気持 ちになるものだけど、その散ったさくらが散ってな お海のあおさで美しくあるという風に思い、感動し ました。  さくらは散っても美しいものだと思いました。

  橋くゞる棹(さお)横たえて花見舟               (白石天留翁)  橋より棹の方が高いので、棹を横たえて船が通ろ うとしている情景。その瞬間をとらえていておもし ろい。

  橋くゞる棹(さお)横たえて花見舟               (白石天留翁)  自分は桜の花を見ても、あんまりきれいだとかいっ た感情が浮かんでこないけど、花見舟の俳句のよう に舟に乗ってゆっくりと桜を見るのはとても気持ち よさそうだと思う。  いつか自分にもこんなゆとりのある時間がほしい です…。

詩を読んでもピンと来ないのが、  僕の悩みです。 感想って言っても何も書けない…。

蛤の句を読んで  自分は吉見にきて思ったけど、海の近くではなぜ か時間が止まったようにゆっくりと流れているよう に感じる。

 日本の神話は天皇の神秘性を高めるための天皇家 の祖先のお話です。そしてそれは神道という宗教と して私達の生活の一部になっています。  もし天皇家以外の豪族が日本を統一していたら、 私たちはしゃ光土器みたいなものを本気でおがんで いたかもしれません。そういう意味で統一したので 今の皇族でよかった。と思います。

 コノハナサクヤヒメがニニギノミコトとの子、海 幸彦と山幸彦を産む時、誰にも見られたくないため に産屋に火をつけ、火の中で産んだという話を聞い た時、寒気がした。エゴの強さは血を見ることさえ してしまう。感情的な行動とは恐いものだ、できる ことなら冷静さを保ち続けたいと思わされる。   春の海頭を冷やせ飛び込んで

  春なのにプールそうじは冬の海  今プールそうじをやっているけれど、いくら春で あたたかくなったといっても水などとてもつめたく てひえるので冬の海にはいったようだ。

  竹林(ちくりん)でタケノコを蹴(け)った      幼き日  自分がまだ小学校低学年だった頃、近所の竹林 (たけばやし)でよくタケノコを蹴り倒して遊んで いました。  『ポコ!グシャ!!』と小気味の良い音が出て、 地面に顔を出したばかりのタケノコを蹴ることは、 幼い自分や友達にとって快感でした。けれどある日、 その竹林の持ち主の人に見つかり、大目玉をくらい、 それ以降しなくなりました。       (その頃はアレは食べる物だとは知らなかった−)

  蛤の熱はいづこへ行くのだろう  人は風邪をひくと熱が出て気持ちが悪くなる。で は蛤は風邪をひくのだろうか。ひいたとしたら、いっ たいどのように熱を下げるのか。興味がある所です。

  蛤のスケッチ評価「ふつうです」  去年の実験の宿題で「ハマグリ」の貝がらと「身」 の部分のスケッチというのがあった。「身」の部分 はまあまあ描けたが、貝がらの絵柄が相当細かくて、 時間も手間もかけて描いた。しかし、スケッチを見 た先生からは「ふつう」に見えたらしく、スケッチ のとなりに「ふつうです」というハンコを押された。 「蛤」というと、このことを思い出します。

個人的に俳句より短歌の方が好きですね。 リズムが体になじむ感じがします。 ので今回は好きな短歌と自作をひとつずつ。   願わくば花の下にて春死なん      その如月の望月のころ (西行)  情景がうかんでくるようなとても美しい歌だと思 います。西行はすばらしい。   桜(はな)よりも君はきれいと言われたと      昔話に貴女(きみ)はほほえむ (自作)  貴女が誰かはノーコメント。ある女性の恋話です。

  時過ぎも己の心影ありし      人の心いまだつかめず  何年経っても人のことを解っているとカン違いし ている自分の心はくもりがあり、そして人の事を理 解することは非常に難しいことです。

  春のうみの真中にありて目覚めたり (暁台)  春の「のほほん」とした季節を引き出す詩であり ます。  春の真ん中に来て目覚めたというところがそう思 う。

  春のうみの真中にありて目覚めたり (暁台)  春のねむりはここちよく、自分でも、ねむってい るのか、おきているのか、しばらくわからない。

  はるの海月なき宵も朧なる (白雄)  冬場だったら、夜の海なんか真っ暗。何も見えな くなるけれど、春が来て、だんだん明るくなり、月 のない夜でも、打ち寄せる波や、そのしぶきがぼん やりと、朧気に見える様がよく分かる。夏になると、 はっきりと波の白さが見えてしまい、はかない感じ はなくなってしまうので、ぼんやりとした印象を与 えてくれるのは、やはり春の海ではないのかと、 ちょっと思ったりもする、今日此の頃。  そのかわり、夏の夜の海は、月が出てたらサイコー にキレイ。

  はるの海月なき宵も朧なる (白雄)  すべてが消え入りそうで、ものかなしい感じがす る。

  はるの海月なき宵も朧なる (白雄)  月が出ていない夜もぼんやりと浮かぶような海が 思い浮かぶ。春の海のおだやかな様子がわかる。  はるがひらがなであるのがいい。

  はるの海遊びわすれて啼く烏 (青蘿)  遊び忘れてという意味が気になった。よくわから ない。春だからと思ってのんびりしていたら夕方に なってしまったのか、それとも夕方になるのをわす れて遊びすぎてしまったのか、など色々考えてしまっ た。

  はるの海遊びわすれて啼く烏 (青蘿)  この詩は好きです。  遊びまくって気づいたら夕方ということがわかり ます。

  はるの海遊びわすれて啼く烏 (青蘿)  烏はきらい。特に空(くう)しゅう みやぎ みちを の春の海という曲は、私の出身地 鞆(とも)(広島県福山市)がモデルです。

  はるの海遊びわすれて啼く烏 (青蘿)  この詩は自分の幼かった頃を思い出させてくれる。 日が暮れるまで遊んでおかんによく怒られた。

  はるの海遊びわすれて啼く烏 (青蘿)  時を忘れて遊ぶことに熱中していた人物の心情を 知ることができる。

  紫に夜は明かゝる春の海 (几董)  春夏秋冬で、夜の海の色はそれぞれ違っていて、 春は紫色なんだと思った。なぜそうなるのかはわか らないけど、きっときれいだろうなと思った。

  紫に夜は明かゝる春の海 (几董)  幻想的な春の夜、月が海、島々を紫色に映し出し、 電気がいらない程ほのかな明るさをかもし出してい る。   竜王山の頂上からもこんな風景が見えそう。

  島々に灯をともしけり春の海 (子規)  灯をともすというところに春が来るという予感を 感じさせる。

  島々に灯をともしけり春の海 (子規)  冬が明けて、春が来たら、漁師たちも船を出した りして海が活気づいて、 沿岸の家とかにも部屋の明かりがともってたりして、 なんだかあたたかい感じがしました。

  島々に灯をともしけり春の海 (子規)  夜、奈良の生駒の山から大阪の街を見おろすと街 の灯がまるで宝石をちりばめたようにきれいだった。 こちらに来て、吉見駅への帰り道、遠くに見える光 とその光が写る海には都会の灯とはちがう二重の美 しさを味わった。この句を読むと思い出した。

  島々に灯をともしけり春の海 (子規)  一つ一つの島に灯台の灯が輝いて、それが春の海 のように幻想的な情景をかもし出している様子が想 像できる。1年の乗船実習で、秋だが私もそういう 光景を実際に見てきれいだと思った。

  春の海竜のおとし子拾ひけり (露伴)  春のさわやかな海でめずらしい竜のおとし子拾い、 とてもおどろいている感じがよみとれます。  そして、春の海の生命の息吹もよみとれるような きがします。  春の海は夏の海よりよいと思います。

  その上にまた一枚の春の波 (深見けん二)  春の海岸に波が重ね重ねにくる涼しげな様子が思 い浮かぶ。波を一枚と、枚数にたとえているのがお もしろい。

  その上にまた一枚の春の波 (深見けん二)  学校の前の海岸に行ったときに、桜の花びらが風 に乗って海に落ちるのを見ました。その時花びらが 波にゆられている様子が春の海らしいと思い、この 俳句に共感しました。

  その上にまた一枚の春の波 (深見けん二)  「春の海」と聞くと穏やかな感じがするが、吉見 に来て、春の風の強さを知り、そんな易しいもので はないと知った。私が感じた春の海の印象を、この 句が一番よく表していると思った。

  その上にまた一枚の春の波 (深見けん二)  永遠にやまない波のように自分もまた終わらない 闘いに挑む。

「その上にまた一枚の春の波」(深見けん二)を間違えて   その上にまた一枚の春の海  その上にまた一枚の春の海、その上にまた一枚の 春の海、その上にまた一枚の春の海、その上に… 一面の春になる  公式  (ただし春>0)   春=冬の海(<0)+春の海(>0)×t       (編者)「イメージ」図は略。

  からからと蛤量る音すなり (松浜)  限度を知らずに、取れるだけとった幼少の心情が とてもおもしろい。

  蛤(はま)鍋や障子隔てゝ海の音 (六山人)  海の近くに住んで  うまいもの食べて  いいなあと思った。

  帆の立ちしごとく蛤焼かれけり (青畝)  蛤を焼いたときに、パカッと口を開ける瞬間を帆 が立っているように見える想像力はすごいと思う。 この蛤、とてもおいしそう…。

 帆の立ちしごとく蛤焼かれけり (青畝)  焼かれる運命のハマグリはかわいそうだが、弱肉 強食の世界では仕方のないことだ。

 浦島太郎は故郷の両親が死んでいて悲しみのどん 底なのに、白髪のお爺さんにするなどというおいう ちをかけるようなことをした乙姫は魔女だと思いま した。

  免許とり乗ったその日に自損事故〜  先週の金曜日に学科試験を受け、合格し免許を とったのだがその翌日に父親から譲り受けた車に 乗って祖父の家に向かう途中、左側面をカベにぶつ けてしまった。(編者)泣き顔マーク略。  気を付けていたのに…、ショック!!       (編者)自損事故でよかった。

  花の下我したことを後悔す      暗い思いが我壊してく  否定的な短歌ですみません。最近、してはならな いことをしてしまったため、後悔し辛い。しかし、 前向きにいこうと決心しました。

  かなしいね感じる眠気一日中  春はとても眠く  何をおいても  眠気が勝っていて  何もしていない日を  残念に思っている  今日この頃。

  悲しくも己が心に迷いあり      弓引く時ぞ的に当たらず 弓道は心に迷いがあると  矢がまとまることがなく   そういう時ほど、かなしくなる

  桜鯛初めて聞いたその名前  水大に来て、もう一年も経つのだから、魚の名前 くらいはだいたいわからなければならないはずであ るが、まだまだ勉強不足のようである。

  うらしまの うらをのぞけば歴史学  浦島太郎の物語も日本書紀や風土記に記されてい た。つきつめていけば、歴史につながる。なんとす ばらしいことか。

  潮干狩幼き日々の思い出かな  近頃、潮干狩りを全くしないので久しぶりにして みたくなった。  潮干狩をする場所もなくなり、する時間もなくな り、すこしかなしく思える。

  砂の中足をネジネジ貝を踏む  砂浜で貝を捕るために足で浜の中をさぐると、固 いものを足の裏に感じる。とってみると、石コロ だったりハマグリやアサリだったりする。

(編者)「俎板に鱗ちりしく桜鯛」(子規)にならって   まないたにうろことびちる桜鯛  バイト先で毎日みる光景であります。

  花曇舟唐崎へ水尾曳いて (田中王城)  くもり空をうつして白い水面。  船がそれをさくように進んでゆく。

  講義する吾も眠たし花曇 (岡安仁義)  先生がよんだと思われる句ですが、実に正直な気 もちがつづられていてよいです。句の中の「花曇」 で教室の外では花々が咲きみだれている様を思い浮 かべました。       (編者)僕が詠んだのではありませんが、確かに眠く        なるときはあります。これからは板書の際に作者名も書きます。

  料理して今日もくらしつ桜鯛 (重頼)  毎日は無理!  赤い鯛はエビを食べるから赤くなるらしい。

  俎板に鱗ちりしく桜鯛 (子規)  (感想)     うろこ      イコール     桜の花びら           だろうな。 亀は万年いきるのか?だれがたしかめた? 今日は目がさえている。頭はボチボチ。 『ヨット部』かなりおもしろい。先生もどうですか? 三連休がゴールデンウィークかよ。短すぎ。       (編者)作品の画面構成は再現できませんでした。

  小海老跳ぶ汐干の跡の忘れ水 (二柳)  楽しい事が過ぎさり、おちついているが、そこに もまだ、跳びはねる元気のありあまる者がいる。  「忘れ水」少しさびしげな雰囲気もするが、どん な場所でも、元気なやつはいるのだと思わされる。

  小海老跳ぶ汐干の跡の忘れ水 (二柳)  この歌を詠むと夏の「田名の実習」を思いだして なつかしくてせつなくなりました。

  なつかしや汐干もどりの月明かり (万太郎)  この句を見た時、句の内容をどう思うとかよりも、 一番最初に頭に浮かんできたのは、過ごした日々で した。  その後、海岸で見たことのあるきれいな情景が浮 かんできました。  月に照らされた、砂浜にいる自分にせまってくる 波を見ていると、海の大きさ、偉大さにとても心を 動かされます。

  大干潟立つ人間のさびしさよ (朱鳥)  感想    さびしさ倍増