Policy教育方針

水産大学校の教育

日本は、暖流と寒流の交差する海に囲まれた世界有数の水産・海洋国家で、古来その豊穣さに潤されてきました。これからも海を護りつつ持続的にその恩恵に浴し、水産資源を効率的かつ安全に活用することによって、国柄を保って行く必要があります。

そのため水産大学校は、水産に関する学理と技術を学び研究させることにより、海の持続的利用と環境保全に配慮しながら水産業及びその関連分野で活躍できる人材を育成することを目的としています。

3つのポリシー

デュプロマポリシー(人材育成の方針)

水産大学校は、学習・教育到達目標を定め、これらの知識や能力を身に付けた学生を水産業及びその関連分野で活躍できる人材として卒業させます。

  • 地球的視点から多面的に物事を考える能力
  • 技術者としての倫理的責任を認識し理解できる能力
  • 数学、自然科学および情報技術に関するリテラシーと応用力
  • 該当する分野の専門技術に関する知識と問題解決能力
  • 種々の科学、技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
  • コミュニケーション能力と国際感覚
  • 自主的・継続的に学習できる能力
  • 与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力
  • チームで仕事をするための能力

カリキュラムポリシー(教育課程の方針)

水産大学校は、ディプロマポリシーに基づく教育目標を達成するため、以下に掲げる方針に基づいて教育課程を編成し、水産業、水産資源、生命、環境に関する総合的応用科学・実学である水産学の教育・研究を行います。

  • 水産全般に関する基本的な知識と各専門分野の教育を体系的に組み合わせ、俯瞰的視野を持つ水産の専門家を育成するカリキュラムを実施しています。
  • 主体的に水産業およびその関連分野を担う有意な人材を育成するため、低学年での動機付け教育から高度の専門教育までを、講義と実習(乗船実習を含む)等や実地教育をくさび状に組み合わせた体系的なカリキュラムを実施しています。
  • 水産(海や水産物、魚食等)に自然に慣れ親しめるカリキュラムを実施しています。
  • 水産庁幹部職員や各分野の第一線に立つ講師による講義を行い、水産行政・研究、産業界、消費者等の最新の動向を的確に教育に反映しています。
  • 高校から大学レベルの教育内容に円滑に移行させるため、理数系科目及び英語の「基礎セミナー」を実施し、リメディアル教育の充実を図り、基礎教育の強化に努めています。

アドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)

水産大学校は、本校のカリキュラムをしっかりと受け止める事のできる、次のような学生を求めています。

  • 社会人としての教養を身に付け得る将来性の見込める学生
  • 論理的な思考・判断やコミュニケーションに関する潜在的能力を期待できる学生
  • 水産業及びその関連分野に関心を持ち、自然と人類との共生を真剣に考え、未知の分野について自ら学ぼうとする意欲が旺盛で、多様な人々と協働しながら、世界での活躍を目指す学生

JABEE 認定の教育プログラム

水産大学校の教育は、平成20年度に、日本技術者教育認定機構(JABEE)から、「教育活動の品質が満足すべきレベルに有り、その教育成果が技術者として活動するために必要な最低限度の知識や能力(Minimum Requirement)の要請に成功し、技術者教育プログラムが社会の要求水準を満たしている」と認定されました。(※ JABEE:Japan Accreditation Board for Engineering Education)

これにより、平成17年度以降に入学した本校の卒業生は、技術士の第一次試験が免除される事となり、技術士(国家資格)となるための途が開かれました。

【水産大学校が育成する技術者像】

  • ディプロマポリシーに掲げた学習・教育到達目標をクリアした技術者
  • 「水産物の安定供給」と「水産業の健全な発展」の実現に向け、望ましい職業観・勤労観・倫理観を持ち、主体的に水産業及びその関連分野を担う有為な技術者
  • 社会人基礎力に加えて水産に関する幅広い見識と技術を身に付け、創造性豊で水産現場での問題解決能力を備えた技術者